任意整理で借金返済を軽減してもらうために押さえておきたいポイント

借金が増えてしまうと返済が厳しくなることや自分の生活がまわらなくなってしまうことがあります。最悪の場合、返済もできず常に催促に頭を悩ませなければいけない生活から、精神や体を壊してしまう人もいるでしょう。借金で追い込まれる前に弁護士や司法書士に債務整理をお願いすることでお金の悩みから救われる可能性があります。今回は弁護士や司法書士に債務整理を依頼するメリットや方法、値段の相場についてご紹介いたします。

借金を抱えてどうしても返済が難しいというケースに陥ってしまった場合、どうにかして生活を立て直したいですよね。借金の負担を減らす債務整理の方法にはいくつかありますが、その方法のひとつが任意整理です。では、任意整理とはどのような仕組みで、他の債務整理の方法とはどんな違いがあるのでしょうか。また、任意整理のメリット・デメリットについても知っておきたいはずです。そこで、どんな条件ならば任意整理の手続きをすることが可能なのか、どこに依頼すればよいのかについてもあわせて紹介します。

任意整理ってどんな債務整理の方法？

任意整理は支払いが難しくなってしまった借金を整理する方法のひとつで、自己破産や個人再生など他の債務整理とは異なり、裁判所を介しません。債権者との交渉は自分ですることも可能ですが、代理人として弁護士や司法書士に依頼するのが一般的です。代理人は無理のない金額でその後の返済をしていけるように返済額や利息免除等の交渉をし、債権者との和解契約を成立させます。

具体的には、過去の取引開始時にさかのぼって利息制限法の上限金利をもとに引き直し計算をし、本来返済すべき正しい借金額を算出してくれます。また利息分のカットなど、月々の返済額を減らすことも可能になります。

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任意整理ができる条件や基準は？

任意整理はどんな条件でも利用可能なわけではありません。自己破産のように返済が免除されるわけではなく、手続き後も減額されたとはいえ返済を続けていく必要があるのです。そのため返済が確実にできる安定した収入のあることが条件となります。

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任意整理で得られるメリットや留意すべきデメリット

どの債務整理もそれぞれにメリットとデメリットはあります。任意整理は裁判所が介在しないことから、自己破産や個人再生に比べるとデメリットは比較的少なく、さまざまなメリットがある方法です。ただし全くデメリットがないわけではなく、信用情報機関への登録（いわゆるブラックリスト）など気をつけておかなければならないポイントもあります。

そこで、任意整理をするとどんなメリットやデメリットがあるのか、考慮すべきリスクは何なのかなどについて説明します。

任意整理で注意すべきデメリットとリスクは？

自己破産や個人再生に比べてデメリットが少ないとはいっても、当初の契約通りに返済ができない状態になっているわけですから債権者に対して迷惑をかけてしまうことには変わりありません。そのため債務者側もある程度リスクを負わなければならないという点は肝に銘じておく必要があります。

まず、任意整理を行うと事故情報としてブラックリストに載ってしまうということが大きなデメリットです。いったんブラックリストに載ると最低でも5年は消えることがありません。その間は新たな借り入れができなくなったり住宅ローンが組めなくなったりするのはもちろん、新しいクレジットカードを作ることもできなくなります。

また、クレジットカードで買い物をすることもできないため、クレジットカードを頻繁に利用していた人の場合は、それまでのライフスタイルの変更を余儀なくされることもあり得ます。

任意整理は弁護士や司法書士が依頼主の利益になるように債権者との交渉を行ってくれますが、交渉がうまくまとまるという100％の保証はありません。任意整理に応じない業者も見られ、思った通りの結果が得られないかもしれないというリスクも少し頭に入れておく必要があります。

また、任意整理は将来の利息分のカットができる一方で、元本そのものを減額することはできない方法です。そのため、返済額全体としては減るものの大幅な減額は望めません。

任意整理で得られるメリットは？

借金の返済が滞ると当然債権者から返済を求める督促や取り立てがあります。弁護士や司法書士に任意整理を依頼して交渉が始まると、この督促や取り立てが止み、とりあえずは平穏な日常を取り戻すことができる点がメリットのひとつです。

取り立てや督促に悩まされていると気持ちに余裕がなくなることもあるでしょうから、解放されることで前向きに将来のことを考えられるようになるかもしれません。任意整理後の返済計画についても月々の返済額を見直すため、借金返済で困っていた実際の生活も無理のないレベルに立て直すことができるはずです。

もちろん、経過利息や将来利息をカットできるため、これまで元本と利息を合わせた金額を毎月返済していた分、月々の返済額を減額できるのは大きなメリットです。また、利息制限法の上限金利を超える金利で長期間借り入れをしていた場合は、過払い金が発生していることが考えられます。

過払い金があれば返還請求をすることができます。さらに、任意整理の場合は法的に強制力のある手続きではないため、特定の業者を任意整理の対象から外すという融通も利くのがメリットです。例えば生活するうえで自動車がどうしても必要という場合、車のローンを対象から外すこともできるため生活に支障をきたすこともありません。

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任意整理の手続きの流れと期間

任意整理の手続きは裁判所を通した手続きではない分、スムーズに和解ができれば他の債務整理の方法に比べて短期間で済む傾向があります。おおむね3～6カ月くらいの期間で和解が成立し、新たな支払いが開始できるようになります。

手続きはまず専門家である弁護士や司法書士に任意整理の手続きを依頼し、債権者に通知・取引履歴の開示請求をしてもらい、正確な債務額を算定したうえで和解交渉をしてもらうという流れです。

任意整理にかかる期間はどのくらい？

任意整理を弁護士や司法書士に依頼してから新たな支払いが開始できるようになるまで、早ければ3カ月、長くても6カ月くらいの期間が一般的です。債権者に任意整理を行う旨の通知を送付して取引履歴を取り寄せ、正確な債務残高を算出するまでの間に1～２カ月程度はかかります。

そのうえで弁護士や司法書士が和解交渉をしてくれるわけですが、債権者としては返済してもらう金額は大きい方がいいはずです。また、将来利息や返済が滞っている場合の遅延損害金カットになかなか応じてくれない業者もいるため、ケースによってはこちらの条件をすんなり受け入れてくれるとも限りません。

任意整理はあくまで裁判所を介さない任意交渉です。そのため決まったスケジュールで交渉が進むわけではなく、考えていたよりも期間が延びてしまう場合もあることを頭に置いておく必要があります。なお、手続き期間中は債権者への返済は一時的にストップするため、返済面での心配はせずに済みます。

任意整理をする手続きの流れは？

任意整理の手続きの流れとしては、まず任意整理を依頼する弁護士や司法書士が決まったら、その弁護士や司法書士と任意整理の委任契約を結びます。その後、依頼された弁護士や司法書士は債務者から任意整理の代理人として依頼を受けたことを示す受任通知を債権者に対して送付します。

同時に過去の取引履歴を請求し、送られてきたら利息制限法による引き直し計算を行うという流れです。その結果、過払い金があれば返還請求し、債務の残高を支払い可能な金額で分割返済する方法について協議しながら和解交渉を行います。

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任意整理を依頼する弁護士・司法書士選びのポイント

任意整理の手続きをスムーズに行うためには法律の専門家に依頼するのが安心な方法です。実際には弁護士や司法書士に依頼することが可能ですが、どちらに依頼すればいいのでしょうか。またそれぞれのメリットなど、弁護士と司法書士の違いを含め、依頼先選びのポイントについて説明します。

弁護士事務所と司法書士事務所のどちらに依頼？

同じ法律の専門家といっても弁護士と司法書士には違いがあります。弁護士は司法試験に合格し、司法修習所で所定の研修を受けて卒業した法律の専門家です。法律業務をすべて取り扱うことができる資格でもあり、幅広い対応が可能です。

一方で、司法書士は主に登記や供託に関する業務を行っていますが、2002年の法律改正により法務省の認定を受けた認定司法書士の場合は140万円以下の民事事件を取り扱うことが認められるようになりました。

同じ任意整理でも司法書士事務所の方が弁護士事務所よりも費用が安く設定されているケースもみられ、借金が少額ならば司法書士に依頼する方がメリットになる場合もあります。

ただ、140万円を超えるような任意整理や、任意整理では収まらずに他の債務整理の方法に切り替えなければならない可能性がある場合は司法書士では対応できません。そのため借金額が大きい場合は弁護士事務所に依頼することを考えた方がいいでしょう。

信頼して任せられる事務所の選び方

弁護士事務所にしても司法書士事務所にしても巷には多数の事務所があり、どの事務所に依頼すればいいのか判断が難しいと感じる人もいるでしょう。法律の専門家といっても、必ずしもすべての法律問題に長けているというわけではありません。

個人でも得意なもの、苦手なものがあるように、弁護士事務所や司法書士事務所にも得意とする分野があるものです。離婚問題に強い事務所があれば相続問題に力を入れている弁護士事務所もあります。

そのため、任意整理を含めた債務整理を得意分野としている事務所を選ぶことが大切なポイントです。また、任意整理をスムーズに解決するためには、債権者との交渉が鍵を握ります。そこで債務整理に実績があり、こちらの利益を最大限引き出してくれる交渉力を持っている事務所なのかどうかを見極める必要があります。

債務整理を専門分野として行っている事務所ならば、ホームページや広告でもアピールポイントとして詳しく掲載しているはずです。ある程度実績もあり、ノウハウを持っているような事務所はどこなのかを考慮しながら事務所を選ぶことがスムーズに任意整理を行うポイントになります。

把握しておきたい！費用の支払いは？

任意整理を実際に依頼するとなると、どのくらいの費用がかかるのかも気になる点です。ただ、素人にはどのくらいの金額が妥当なのかわかりにくいこともあるでしょう。妥当な金額がどのくらいか判断するためには、いくつかの事務所の費用を見て、あまりに高すぎないかなどを比較検討してみることもひとつの方法です。

また、着手金の金額表示だけがあって、その後どのくらいの費用が発生するのか全くわからないと、総額どのくらい必要になるのか不安になることもあるはずです。そのため、費用の表示が明確にされている事務所かどうかが見極めのポイントになります。もちろん正式に委任する前に費用についてしっかりと説明してくれるかどうかでも事務所の姿勢を判断できます。

さらに、任意整理はもともと借金返済に苦労している人が依頼するケースが多いものです。そのため、費用の支払いに対して後払いや分割払いに対応してくれる事務所かどうかも確認しておくと、費用支払いの心配を少しでも減らしておけます。

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任意整理をして新たな生活をスタート

借金をしたら借りた分をきちんと返済するのは社会人として当然のことです。しかし、どうしても無理が出てきた場合、専門家の助けを借りて無理のない返済計画を立て、生活を立て直すことで新しい未来が開けてくることもあります。

任意整理はそれを実現するひとつの方法です。もちろんメリットとともにデメリットやリスクもあり、実行するにはいろいろと考えておかなければならない留意点もあります。しかし、それらを踏まえたうえで任意整理を行えば、負担や不安が軽減した分、新たな生活を余裕を持ってスタートさせられるでしょう。