弁護士が教える債務整理

弁護士が教える債務整理

お金を借りたら必ず返す。これは当然のことです。しかし、借金の返済に生活が圧迫され支払いが滞るようになり、支払いが遅れたことにより遅延損害金というペナルティまで発生したまい更に返済額が増加するという悪循環に陥ってしまうことがあります。

返済するために別の貸金業者から借入をすると、さら返済が膨らみ借金が借金をうんでしまいどうすることも出来なくなってしまします。

借金が返済できなくなることによってどうにもならない状況を解決する方法が債務整理という法的解決手段です。

債務整理には種類があり、メリット・デメリットがちがう

債務整理手続には、任意整理・自己破産・個人再生・特定調停と大きく分けて4つの種類があります。借金の状況によってとる手続の内容が変わってきます。

任意整理

債務整理の手続きのなかで、最も利用されているのが多いのが任意整理になります。任意整理は、債権者(消費者金融やクレジットカード会社)との話し合いし、借金の減額や返済期間の延長を交渉する手続です。裁判所を通すことはなく、自身や代理人によって交渉することができますが、基本的には弁護士や司法書士などの専門家に依頼することが多いです。

弁護士や司法書士に依頼すると、貸金業者からの支払い督促が停止します。また、個人で手続をする場合、貸金業者からの連絡や書類が自宅に届くことになります。家族に借金を知られたくない方は、弁護士や司法書士に依頼すれば窓口が全て専門家になりますので、貸金業者からの連絡が直接くることはなくなります。

メリットだけではなく当然デメリットもあります、任意整理をはじめ債務整理をするとブラックリストのります。ブラックリストとは通称で、正確には個人信用情報機関に事故情報が登録されることになります。

ブラックリストにのってしまうと、任意整理の場合5年ほどはキャッシングやローンを利用することが難しくなったり、新たなカードの作成ができなかったりするデメリットがあります。

任意整理にかかる期間

任意整理は債務整理のなかでは利用者が多い手続です。裁判所を通さず貸金業者と直接交渉をするので、必要書類やかかる時間も最低限で済みます。

任意整理にかかる期間は通常2ヶ月~3ヶ月程度で、手続きの全てを弁護士や司法書士などの法律のプロに任せることができます。個人でやる場合、必要書類の用意に手間取ったり、貸金業者との交渉で難航する可能性もあるため、かかる期間が伸びることが考えられます。

自己破産

自己破産も債務整理の一つです。テレビドラマなどで出てくることの多い単語だったりするので、耳にしたことのある人が多いでしょう。債務整理ときいてまず浮かぶのが自己破産という方も多くいます。

自己破産の最大のメリットは借金が全てなくなるということです。しかし、自身が所持している土地や不動産などの財産を失うことにもなります。借金の金額が多くどうにもならない方がとる最終手段といったところでしょうか。

裁判所へ申し立てをして手続きをする必要があります。裁判所が返済を続けることが厳しいと判断することにより、返済を免除してもらうことができます。

デメリットとしては、ブラックリストにのりますので新たなクレジットカードの作成や新たにローンを組むことや借入ができなくなります。任意整理の場合は登録期間が5年とされていますが、自己破産の場合は5年~10年と期間が長くなります。

また、全ての借金をなくすことができますが、自宅・土地・不動産などの財産を処分することになり、一部の職業につくことができなくなります。官報にも記載されるので自己破産をした記録が残ることになります。

自己破産にかかる期間

自己破産手続は、申し立てを行った人に財産がある場合(小規模管財と言います)と、財産が全くない場合(同時廃止といいます)とで手続にかかる期間がことなります。

自己破産の手続きは、小規模管財(申し立て人に財産がある場合)と同時廃止(財産が全くない場合)とでかかる期間が変わってきます。

少額管財の場合は、自己破産の手続の最中に財産を管理する人間を選任する必要があり、手続きにかかる時間が少なくとも6ヶ月はかかります。

同時廃止の場合は、財産を管理する人間の選任などがないため少しはやく4ヶ月程度となっています。

少額管財・同時廃止ともに、現在の収入・財産の状況を裁判所へ報告し申し立ての書類作成と債権者確定をして手続きが進むことになります。

個人再生

住宅がある場合、住宅を失う自己破産はあまり取りたくない手段です。個人再生は、住宅ローンをそのまま残しその他の貸金業者からの借金を減らすことのできる手続きです。また、自動車のような動産も処分することなく残すことも可能です。

デメリットは任意整理・自己破産と同じようにブラックリストには載ってしまいます。期間は任意整理と同様の約5年程度です。個人再生は官報に載ってしまいますので、記録として個人再生したことが残ります。

個人再生にかかる期間

個人再生手続きは小規模個人再生と給与所得者等再生の2種類があります。

基本的には小規模個人再生の手続きをする人が多く、個人再生手続の8割以上といわれています。

小規模個人再生は手続きにかかる期間は4ヶ月程度~6ヶ月程度となります。

裁判所を通す手続きですので、個人再生手続きでは債権者全員(消費者金融やクレジットカード会社などの貸金業者)の参加を待って手続をおこないます。そのため、債権者確定と債務額確定のために1ヶ月~2ヶ月程度の時間が必要です。

その後、裁判所内で個人再生計画の作成手続などをして、最終的に借金減額の決定をします。

減額決定後は個人再生計画に従い、減額してもらった借金を3年間にわたり分割返済していくことになります。

特定調停

特定調停というのは、返済ができなくなくなった状態に、裁判所へ申し立てをして貸金業者と話合いをするようにする手続きです。簡単にいえば、両者の間に裁判所が仲介して返済ができるように調整する手続です。

債務整理のなかでは利用される数が少ない手続きです。内容としては任意整理と似ていますが、特定調停の場合は弁護士や司法書士が代理ですることはなく個人で裁判所へ申し立てすることになります。

任意整理との違いは、貸金業者との間で返済金額の減額や、返済期間の延長などの合意が成立すると、調停調書というものが作成します。調停調書には判決と同じの効力があります。

任意整理の場合,弁護士・司法書士を代理として立てることができるので、時間や手間をかかることはあまりありません。しかし、特定調停の場合は裁判所の調停委員が仲裁に入ることにはなりますが、基本的には本人が貸金業者と交渉することになります。

複数の貸金業者から借金をしている場合、貸金業者ごとに交渉をするので1回の調停に数時間かかるケースもあります。裁判所は土日祝祭日には開廷していません。調停がおこなわれるのも1ヵ月に1回程度となるので、合意が成立するまでに時間がかかり、そのたびに裁判所へいくことになります。

他の債務整理手続きと同様に、ブラックリストにのります。期間は約5年程度です。

特定調停にかかる期間

特定調停は裁判所にて月1回のペースで調停が開催されます。1回で解決することはほとんどなく、平均3~4ヶ月程かかります。調停がおこなわれるたびに裁判所へ出廷することになります。土日祝日には開催されることはありませんので、仕事をされている場合は休みを取る必要がでてきますので注意してください。

債務整理とブラックリストの関係

債務整理をするとブラックリストにのることになります。

ブラックリストとして登録されている期間はクレジットカードやローンの審査に通るのが非常に難しくなります。ローン審査は金融機関からお金を借りる場合だけではなく、携帯電話の機種代の分割購入なども難しくなります。

インターネットサービスの多くが、クレジットカード払いを推奨しており、クレジットカードの審査に通らないとサービスを利用する上で支障が出る可能性があります。

ブラックリストにのるというのは個人信用情報機関に事故情報が登録されることです。個人信用情報機関には以下のようなものがあります。

株会社日本信用情報機構(JICC)

主に消費者金融などの貸金業者や保証会社が多く加盟している

株会社シー・アイ・シー(CIC)

主にクレジットカード・カードローンの信販会社が加盟している。消費者金融が加盟している場合もある

全国行個人信用情報センター(KSC)

銀行・政府関係金融機関・信用保証会社・銀行から推薦された信販会社が加盟している。

債務整理をするとブラックリストにのり、ローンが組めなくなったり新たなカードが使えなくなったりするのが、ネックとなり手続きをしない方が多くいます。

しかし、ブラックリストにのるのは債務整理だけではありません。数回に渡り支払いが遅延したり、滞納したりすることでもブラックリストにのります。結果的に、支払いができなく遅延・滞納によってブラックリストにのってしまうのであれば、債務整理をして返済自体を楽にして借金をなくす方が苦しい生活から早く脱出する近道ではないでしょうか。

債務整理がローンに与える影響は?

住宅ローンや自動車ローンを利用している場合でも、債務整理をする必要がある状況になる方もいます。ローンの支払いが終わっている場合、所有者はローンを契約したものになります。ローンの支払いが終わっていない場合は、所有者はローン会社及び販売店になります。

任意整理は住宅ローンの残金を交渉することはできません。住宅ローンの返済は継続したまま、キャッシングやカードローンを任意整理することは可能です。任意整理をする場合には、事前に住宅ローンの担当者へ連絡と相談をしたほうがよいでしょう。

自己破産に関しては、住宅ローンであっても全ての借金が対象となりますので、免除されることになります。自己破産を行うと、資産は処分しなければなりませんので、住宅も手放す必要があります。住宅をどうしても残したいと考えているときは個人再生、住宅ローンを含めて月々の返済をなくす際には自己破産を検討すると良いでしょう。

個人再生は、住宅ローンを残すことができる手続です。住宅ローン以外の債務の返済が難しくなってしまったときは、個人再生の利用が考えられます。個人再生をすると、キャッシングやカードローンなどの借金を大幅に減額することが可能です。

特定調停も任意整理と同様に住宅ローンを除いてキャシングやカードローンの借金だけを減額することができます。

債務整理後のローンは利用できるのか?

債務整理をしたあとは、基本的に個人信用情報機関に事故情報が登録されることになります。大体約5年~10年ほどは新たなローンを組むことや、新たな借入を利用することは難しいでしょう。

債務整理をするまでに返済が追い込まれている状態ですので、新たな借金をふやすことより現在抱えている借金の返済に努めてください。

債務整理は弁護士・司法書士に依頼すべき

借金を返済中の方が債務整理をする場合のメリットは、弁護士や司法書士に依頼した場合返済がストップします。債務整理は専門的な知識が必要であり、時間と手間が非常にかかる手続きばかりです。専門家に依頼することにより、仕事を休んで手続きをしにいくことや貸金業者と直接交渉することなく手続を完了させることができます。

また、個人で手続をした場合は貸金業者や裁判所からの連絡・書類が自宅にいくことになります。多くの方が借金していることをバレたくない状況にあります。弁護士・司法書士を代理にすることにより窓口がすべて専門家宛てになりますので、直接連絡がくることはなくなります。専門家からの連絡に配慮してくれるので、家族にバレるリスクを最大限抑えることができます。

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