過払い金請求をするとブラックリストにのるは大間違い

過払い金請求をするとブラックリストにのるは大間違い

過払い金請求をしただけではブラックリストにはのりません。

ブラックリストとは個人信用情報のことを指す

ブラックリストとは特定の企業や団体が作成する個人信用情報を指す俗称です。リストの内容は取り扱う企業や団体によって異なりますが、貸金業者の間では債務の踏み倒しや過払い金請求など、業者の側から見て損失に繋がる顧客の情報を指します。

ブラックリストは企業や団体が独自に定めた基準によって作成されるので、名指しされた本人はリストに載っていることも知らないケースが多数を占めます。また、ブラックリストは同業者同士で共有されるので、一つの業者を相手に過払い金請求を行ってもほぼすべての貸金業者に自身の個人信用情報が流れることになります。
そのため、過払い金請求を行った後で他の貸金業者に融資を申し込んでもリストが原因で審査が通らないこともあります。

昔は「コード32」や「コード71」としてブラックリストに登録されていた

過払い金請求を行って払い過ぎた利息を取り戻したいと考える人が不安になってしまうのは、過払い金請求を行ったことでブラックリストに登録されてしまうのではないかという点ではないでしょうか。

平成19年以前は、過払い金請求を行うと個人信用情報に「コード32」が記載されていました。
この「コード32」とは「債務整理を行った」ということを現す数字です。
過払い金請求は法律で認められているものであるのに、「コード32」で過払い金請求を行ったことがわかるような区分をすることが問題となってしまいました。個人信用情報はローンの申し込みを受けた金融機関などが審査の1つの要素としてチェックするものですが、個人信用情報に「コード32」があることが原因でローンを組むことができなくなった人が多発したのです。

その問題を受け「コード71」が使用されだしたのですが、これは「契約見直し」を意味する数字であり、実質は過払い金請求を行った人だけに使用されていたので、「過払い金請求を行った」ということがわかってしまう状態だったのです。これでは「コード32」とは数字が違うだけで意味合いは全く同じであったため、大きな不利益を受けることは全く変わりがありませんでした。

平成22年4月から過払い金請求でブラックリストに登録されなくなった

これらの事情から、平成22年4月から過払い金請求を行ったとしてもブラックリストに登録されることはなくなりました。
金融庁の指導により、個人信用情報に「過払い金請求を行った」ということがわかるような記載をすることを禁止しました。
過払い金請求は消費者に認められた正当な権利を行使しただけで、支払い能力に関する情報や新たにローンを組む時の審査に利用される個人信用情報とは関係がない、という判断が下されたのです。
この金融庁の判断によって、平成22年4月に「コード71」が削除されることになりました。

その結果、平成22年4月以前に過払い金請求を行った人の個人信用情報からは「コード71」が削除されましたし、それ以降に過払い金請求を行ったとしても、過払い金請求によって残債を全て返済することができた場合にはブラックリストに登録されることはなくなりました。
「コード71」がなくなったことによって過払い金請求を行っても、その他の業者に住宅ローンの審査の申し込みやクレジットカードの新規の作成の申し込みを行った場合の審査の段階で、他社で過払い金請求を行ったということがわからなくなりましたので、審査に影響を与えることが無くなりました。

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過払い金請求をしてブラックリストにのってしまうケース

借金を返済中に過払い金請求をした場合

借金の返済中に司法書士に依頼して過払い金請求を行うと、一時的に個人情報がブラックリストに載ることになります。
これは司法書士が介入した段階でいったん「債務整理」の登録がなされるからです。
しかしこれは一時的なものです。
後に、過払いがあることが確定し債務を完済することができれば、「債務整理」の情報は間違いであったということで抹消されます。

一時的なこととはいえ、ブラックリストに載ってしまうことは注意しておく必要があります。
例えばこの期間の間にクレジットカードの更新が来るような場合、更新不可になる可能性があります。もちろん新規で作ることもできなくなるので、タイミングには十分注意しておく必要があります。

返済中の過払い金請求で借金が残ると任意整理になる

借金を返済中に過払い金請求をするとき、気を付けたいのが「予想に反して過払いになっていなかった」あるいは「借金額は減額できたが、債務が残った」という場合です。
この場合、ブラックリストに載った個人情報は削除されることなくそのまま登録されることになります。

なぜこうなるかというと、借金をゼロにできた場合にのみ「過払い金請求」となり、ゼロにできなかった場合は「任意整理」の扱いになるからです。
任意整理とは、債務整理の手続きの一つで、貸金業者と債務者の間で今後の返済期間や返済額について交渉を行うことで、手続きをすることでブラックリストに登録されます。
ブラックリストに登録されると、クレジットカードの更新や作成、ローンを組むといったことが出来なくなるデメリットがあります。

返済中の過払い金請求は過払い金で借金が0になるか・ならないかが重要

過払い金請求は、借金の返済中にもする事が可能です。
ただ注意したいのが、返済中の過払い金請求はブラックリストに載ってしまう危険性があるという事です。
これは業者によって変わるのですが、返済中に過払い金請求をした時点で、ブラックリストに登録される事が多くあります。
その後取り返した過払い金で、借金の残高を0にできた時にブラックリストから削除される事になります。

もし過払い金請求をしても借金残高が0にできなかった場合は、ブラックリストに載ったままになってしまうので注意が必要です。
ブラックリストに登録されないためにも、過払い金請求する前にしっかりと完済できるか計算しておく事が重要になります。

ブラックリストに載ってしまうと様々なデメリットが出てきます。
例えば、新たな借り入れができなくなったり、クレジットカードの作成ができなくなったりしてしまいます。
クレジットカードで光熱費などの支払いをしている場合、それもできなくなるので請求先を変更しなければならなくなります。

過払い金がいくら戻ってくるのかは、引き直し計算をすることで知ることができます。
ただし、この計算は素人ではなかなか難しいので、専門家に相談すると安心です。
しっかりと計算した上で、過払い金によって残高が0になるかどうか判断できれば、返済中でも安心して過払い金請求ができます。

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返済中の過払い金請求でブラックリストにのらない方法

事前に過払い金の計算をしっかりする

ブラックリストとは、金融業者が契約する際に返済能力を確認する情報のことです。
返済が滞ってしまったり、債務整理をしたりした人が信用情報機関に登録され、新規の契約などができなくなる場合を「ブラックリストにのる」ということになります。

過去には過払い金請求を行うと「契約見直し」ということで、信用情報に登録されましたが金融庁の指導により廃止されました。
ですので、現在は過払い金請求を行っても信用情報機関に登録されることはありません。また、すでに登録されている過払い金請求の情報も削除されています。

返済中で過払い金を請求した場合、返還額で債務が残らなければ問題はありません。
しかし、債務が残ってしまう時は「任意整理」として扱われるためブラックリストに登録されてしまいます。
そのため、返済中に過払い金を請求する時は、返還額で完済できるかどうかをしっかりと計算する必要があります。

返済中の借金を完済する

「過払い金請求」をした情報はブラックリストにのることはありません。
ブラックリストにのらないためには、借金を完済していることが重要なポイントです。
すでに完済している借金に対して、過払い金を請求することは問題はありません。
返済中の借金に対して過払い金請求を行うこともできますが、ブラックリストにのらないためには注意が必要です。

現在借金を返済中の場合は、発生した過払い金で借金が完済できればブラックリストにのらず、債務よりも過払い金が多い時は手元に返還額が戻ってきます。また過払い金の返還額を計算した結果、借金を清算出来ず債務が残ってしまう場合は、一旦完済してから請求することでブラックリストにのることから回避できます。

複数業者からの借入している場合は完済した借金だけ過払い金請求をする

「過払い金請求」を行ったとしても、ブラックリストにのりません。
ただし、借金の返済中の過払い金の請求では、ブラックリストにのってしまう場合があります。
借金を返済中に請求を行い過払い金が発生する場合、返還される過払い金で借金がなくなれば完済したことになります。
しかし、返還額で借金がなくならない場合は、扱いが「任意整理」となり事故情報としてブラックリストに登録されます。
借金を完済してから過払い金請求をすれば、ブラックリストにのることはありません。

複数の金融業者から借り入れをしている場合は、必ずしもすべての金融業者に過払い金を請求する必要はなく、完済している金融業者があれば完済している業者だけ選んで過払い金を請求することも可能です。

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■過払い金請求のメリットを最大限に生かす方法

過払い金請求は無制限に何度でも行えるものではありません。
あまり知られてはいませんが、同じ業者に対しては1度しか過払い金請求を行う事が出来ず、この1度を失敗してしまうと同じ業者からは過払い金を取り戻す事が出来なくなります。
そうした点を考えると、1度のチャンスを失敗する事なく最大限の結果を得たいと考えることだと思います。

過払い金請求を行う方法は、大きく分けて二つあります。
自分で行う方法と、専門家に依頼する方法です。
専門家に依頼するならば、煩雑な手続きは全て行って貰えますから、長期間過払い金請求の為に奔走しなければならないという事はなく、これまでとほぼ変わらない日常生活を送る事が出来ます。
さらに相手業者も専門家が相手となると交渉時の態度を変化させる事が多く、より有利な条件での和解が可能な場合もあります。

現在、借金を抱えた状態で過払い金請求を行う場合、専門家に依頼する事で業者からの取り立てをストップさせる事ができ、これは個人で過払い金請求をする時には得られないメリットになります。

個人で過払い金請求手の続きを行う場合、専門的な知識が必要になり、強い交渉力も必要となります。
交渉をこれまで幾度も行ってきている業者を相手に、自分が希望する条件での和解案を勝ち取るという事はそれほど簡単ではありません。
素人が相手と分かるや、なかなか交渉に応じなかったり、返還に応じなかったりする業者もいます。
そうなった場合、時間も労力もかかる裁判という方法にうったえざるを得ない状況になることもあります。
さらに家族に借金を内緒にしている場合、個人で過払い金請求を行う事で、関連資料が自宅に送付された際に気づかれてしまうという可能性もあります。
家族には絶対に知られたくないという場合は、そうしたデメリットもある事を覚えておきましょう。

専門家に依頼するならば、時間や労力は最小限で済み、素人にはない交渉力で好条件での決着が出来る可能性が高いと言えます。
しかし専門家に支払う費用が発生するため、自分で過払い金請求を行おうとする人もいる事でしょう。
自分で過払い金請求を行うならば、専門家に支払う分の費用を浮かす事が出来ますが、必要な資料を準備するための時間がかかったり、交渉が難航し長期化したりする可能性があります。
さらに専門家に依頼すれば取り戻せたであろう金額を取り戻せず、労力や時間がかかった割には望む結果が得られないという可能性がある事も考慮しましょう。
ですので、かかる費用だけに注目するのではなく、必要になる時間や労力などを総合的に判断し、どのような方法で過払い金請求を行うかを決めるようにしてみてください。

弁護士が教える過払い金請求