過払い金は5%の利息付きで取り戻すことができるのか?
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過払い金には利息が発生します
過払い金には5%の過払い金利息が発生します
過払い金請求をするときは、5%の過払い金利息が発生します。
この利息の発生時期については、個々の返済ごとに発生するという意見と、すべての取引が終了した時点から発生するという意見とに分かれています。
現在の実務では、個々の返済ごとに利息が発生するという扱いがされていますので、利息がつく期間は長くなる傾向があり、過払い金請求で請求できる金額も高額になる可能性があります。
過払い金に利息が発生する理由
過払い金請求をした場合には、過払い金にも利息が発生すると前述しましたが、
その理由は不当利益返還請求権と悪意の受益者という根拠から成り立ちます。
悪意の受益者に該当すると、過払い金請求のお金に利息が発生することになります。
不当利益返還請求権とは、法律上の正当な理由がなく他人の損失によって財産的利益を得たものに対し、自己の損失を限度としてその利益返還を請求できる権利の事をいいます。
要は、正当な理由もないのに他人の損失によって利益を得た人は、その損失に対して、受けた利益を返還しましょうという法律です。
過払い金請求の場合においては、出資法と利息制限法との間にあったグレーゾーンを指していることになります。
悪意の受益者は、その受けた利益に利息を付して返還しなければならない決まりがあります。
この場合において、なお損害があるときはその賠償の責任を負うことになります。
つまり、悪意とはある事実を知っているということであり、これは過払い金請求において言うならば、出資法と利息制限法の間にあるグレーゾーンを知っていたということに該当します。
ですから、賃金業者が悪意の受益者の該当したとすると、前述したとおり過払い金に利息が付くことになるのです。
利息の年利率は5%と定められています。
また、その利息の発生時点は実務上、個々の返済によって過払い金が発生するため、その過払い金が発生するごとに、利息が発生するという考えかたになっています。
過払い金の利息が発生する時期
過払い金の利息が発生する時期は、過払い金が発生したタイミングとされていますが、この利息発生の時期に関しては、過去に業者側と弁護側で争いがありました。
これが解決したのは平成21年の9月の最高裁の判決です。
この裁判で弁護側の主張する「過払い金が発し得した時点」から利息が発生することが認められたというわけです。
過払い金請求でたくさんお金が返ってくるケースは、過払い金利息が発生してから、請求するまでの期間が長かった場合です。
過払い金が発生してから請求するまでの期間、ずっと利息が発生していますので、すぐに過払い金請求をするよりも、10年近く経過してから請求をした方が得になるというわけです。
ただし、過払い金請求は債権になりますので、消滅時効があります。
過払い金が発生してから10年間請求をしないと時効が成立してしまい、過払い金自体が消滅してしまいかねません。
ですので、過払い金が発生してから10年以内に請求をすることが必要です。
過払い金の利息が5%と決まっている根拠
過払い金に適用できる利息は、民事法定利率の5%なのか、商事法定利率の6%なのかという問題について、長年争われてきました。
民法404条では、「利息を生ずべき債権について別段の意思表示がない時は、その利率は5%とする」と定められています。
この民法404条が適用されることには疑いがありません。
一方、商法504条で定める法事法定利率の条件としては、「商行為によって生じた債務に関しては、法定利率は6%とする」と定められています。
商法は民法の特別法なので、商行為によって生じた債務ならば、商法が優先されて、利息は6%となるはずです。
最高裁判決が出されるまでは6%の利息をつけて過払い金を取り戻せるケースもありましたが、平成19年2月の最高裁判決で、「利息制限法の規定によって生じた債権に営利性はない」ことを理由に、民事法定利率の5%が適当であるとされ、以後は実務でも5%で計算がされています。
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利息付きで過払い金を請求するには訴訟を起こす必要がある
過払い金請求を比較的短期間で終わらせる事の出来る方法として「和解」があり、多くの過払い金請求では和解での決着がなされています。
ただし和解の場合、発生している過払い金の約60~90%ほどの回収率になることが多く、過払い金全額を回収するのは難しい状況です。
しかし過払い金請求訴訟を行う事で、過払い金の全額に5%の利息を上乗せして取り戻す事が可能となります。
和解で決着するよりも時間がかりますが、利息付きで全額回収できることは大きなメリットになります。
過払い金請求を専門家に依頼する場合、支払う費用は大きく分けて3つあり、着手金、解決報酬金、過払い報酬金があります。
裁判を起こす場合、この過払い報酬金の割合が変動します。
和解で決着がついた場合には、実際に取り戻せた額の20%が報酬の相場です。
裁判で決着する場合にはこの割合が上がり、25%ほどを支払います。
訴訟を専門家に依頼すると費用はその分高くなりますが、訴訟を起こすためには専門的な知識や手続きがいつようになります。
そのため訴訟を起こす時は、ほとんどの場合弁護士などの専門家に依頼することをオススメします。
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過払い金訴訟を起こす際の注意点
より時間と手間がかかる
過払い金訴訟を起こす場合、弁護士が主体となって訴訟をすすめますが、書類の煩雑さや、場合によっては裁判に出廷することもあり得ます。
また、利息を付けて過払い金を請求すると、業者も簡単には支払いに応じませんので、裁判が長引くことがあります。
もし、金額よりもスピードを優先する場合は、和解することも検討しましょう。
訴訟を起こすことは、より時間と手間がかかることを覚悟しておく必要があります。
裁判費用が追加でかかる
過払い金請求をした場合、こちらの希望する返還額や返還条件と業者が提示する内容とが折り合わなければ、裁判所での訴訟を行うことになります。
その場合弁護士や司法書士への依頼費用の他にも、裁判費用が追加でかかることになります。
主な費用は、訴訟の申立手数料と郵便費用、公的な証明書類の交付費用などですが、その他にも裁判に参加する本人や代理人などの交通費や宿泊費、訴状の作成・提出に関する費用などがかかります。
過払い金報酬が上がる
訴訟による過払い金請求となると、返還額が一般的な過払い金請求よりも上がる傾向があります。
和解で解決する場合は満額で取り戻すことが難しいですが、訴訟を起こすことでほぼ間違いなく満額で取り戻すことができます。
また、訴訟を起こしての過払い金請求の場合、5%の利息つくで取り戻すこともできます。
そのため少しでも多く過払い金を取り戻したい場合は、訴訟を検討してみると良いでしょう。
司法書士では訴訟を起こすことができない
過払い金請求を専門家に依頼し、訴訟を起こす際には注意が必要です。
それは司法書士では、地方裁判所で訴訟を起こす事ができない点です。
理由は、司法書士は簡易裁判所までしか代理権限をもっていないからです。
簡易裁判所の管轄となるのは、過払い金請求額が140円以下の場合です。
過払い金請求額が140万円を越えると地方裁判所の管轄となります。
その場合、司法書士は訴訟代理権等がないとされる為訴訟を起こせないのです。
一方で弁護士は金額に制限がない為、どちらの裁判所でも本人に代理する事が可能です。専門家に過払い金訴訟を依頼する際、過払い金の請求額が140万円を越える場合は、予め弁護士に依頼をした方がいいでしょう。
自分で訴訟を起こして利息を付けて取り戻すのは難しい
過払い金請求を個人でした場合、業者側は3割~5割程度の不利な条件での和解を求めてくることも多いです。
過払い金請求の訴訟を起こして勝訴判決を勝ち取れば、ほぼ100%の過払い金を回収することができます。
しかし、個人で裁判をやるためには、専門的な知識と経験が必要になります。
業者は金融取引のプロであり、知識も経験も豊富なので素人が戦うことは多くの場合無謀です。
また、弁護士に依頼をした場合には過払い金に5%の利息をつけて請求をしてくれますが、素人がやると利息まで回収することは難しいです。
過払い金請求をやるなら、弁護士に依頼をしたほうが、総合的なメリットがあるケースのほうが多いです。
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利息付きで過払い金を取り戻すかどうかは、時間と相手の経営状態で見極める
利息付きで過払い金を取り戻すためには、裁判を起こす必要があります。
過払い金の利息は年率5%です。
5%といっても過払い金が発生した取引ごとに、利息は発生するため金額は賃金業者との取引が長ければ長いほど大きくなっていきます。
そのため利息付きで過払い金取り戻したくても、賃金業者の経営が厳しい場合は払ってもらえない可能性があります。
また、過払い金請求の裁判中に請求先の企業が倒産してしまった場合は、取り戻せる過払い金が大幅に減ってしまいます。
例をあげますと、大手賃金業者が会社更生法の適用を申請したケースでは、配当率が3,3%でした。
つまり、100万円の過払い金があった場合でも、手元に還ってくるのは3,3万円ということです。
ですので、相手の経営状態を確認して見極めることが非常に重要になってきます。
これらのことを踏まえると、過払い金請求の裁判にかかる費用と時間、賃金業者の経営状態を見極めた上で、利息付で過払い金を取り戻すかどうか判断しましょう。
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